睡眠時無呼吸症候群…重症の自覚なく運転続ける
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、病気と自覚しないまま、多くの患者が潜在しているようです。

「運転中に気付いたらフェンスが目の前だった」と語る元トラック運転手は、リストラを機に診断を受け、SASとわかりました。重大事故に直結しかねない一方で、その危険性への自覚がほとんど浸透していない現状が浮かび上がります。

高速の料金所に着いた際、どう走ってきたか記憶をたぐれないことがあったり…。不景気による解雇をきっかけに、いびきの治療に行った病院でSASと診断され、呼吸停止は一晩60回。鼻から強制的に空気を送り込んで呼吸停止を防ぐ「CPAP(シーパップ)」という器具を就寝中に装着する治療を受け、「すっきりして人生が変わった」と言います。

四国と中部地方を週数回往復する長距離ドライバーの場合、勤務先の指示で受けた医師の検査でSASとわかりました。「夜に走り、3日に2日は車内で寝る生活。眠いのは自然と思っていた」と考えるのも、仕方ないかもしれません。睡眠中、呼吸が止まることがあると妻に言われたそうですが、国推奨の眠気指数テスト(ESS)は24点中5点と正常値だったそうです。SASの診断に「どこか痛いのではない。言い方は悪いが、ひっかかったなと感じる」と言います。いまだに深刻な病気とは思えず、仕事も忙しいので、勤務先には言わずに治療をやめ、トラックに乗り続けているといいます。

昨春、関東地方のタクシー会社に勤務する運転手の場合は、ESSは正常値の8点だったが、検査の結果、一晩の呼吸停止は30回を超え、重症と診断されました。CPAP装着で、体調はよくなっているそうです。

山陽新幹線の居眠り運転でSASが注目された2003年当時、国内のSAS患者は約2万人。それから4年経ち、患者数は十数万人です。しかし、国内の患者数は約200万人と推計されます。今もなお百数十万人のSAS患者が、自覚もなく、治療も受けないまま、眠気と闘いながらハンドルを握るなどしていることになります。

なんと恐ろしい!!!
そんなドライバーが起こした交通事故の巻き添えには、絶対になりたくない!
みんなが、そう思います。


SAS患者を絞り込む現在の取り組みが、いかに不十分かを示す調査結果です。重症のSAS患者はメタボリック症候群を併発するケースが半数に達しているそうです。国や企業は、公共の安全と本人の健康のため、患者の発見に本腰を入れるべきです。

SASは、欧米では90年代から社会問題として認識され、米国では交通事故防止だけでなく、寝不足による生活の質低下という経済的損失の観点からも、連邦政府主導で医療体制の整備が進んでいます。
では、日本はどうでしょうか。治療が必要な患者の9割が埋もれていると試算されています。治療を受ければ、ほとんどのケースは短期間で回復は可能ですが、そのことが周知されていないことも一因と言えるでしょう。

国による、一刻も早い対策が望まれます。
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